魔王の末娘、ストラスは人間の書物を好む変わり者として知られていた。 末娘として後継ぎの重圧も責任もなく自由を謳歌していたある日、帝国の王子の少年が人質としてやってくる。好奇心旺盛なストラスはすっかり少年と打ち解け、自分の夢を明かす。 ――いつか魔族と人間、双方が争うことなく平和に暮らせる国を作りたい。 少年はその夢を素敵だね、といって笑った。 しかし少年が身代わりであったことが露見し、怒りに震え少年の命を奪おうとする父母に逆らったことでストラスの自由な日々は終わりを告げる。少年と離れ離れになり、いつかの夢も忘れてしまった。 そんなストラスが降って湧いた幸運で魔王に即位して一年、勇者が魔王城に攻めてきた。凶刃に倒れる同族たちに彼女は死を覚悟するが、勇者はストラスを花嫁にするとふざけたことを言い出して――?いや首輪をつけられて愛してるなんて言われても信用できないんだが?いとおしげな眼差しで見るんじゃない!※途中暗いところもありますがハッピーエンド予定です。ちょっとスケベなところには※マークつけてます。
文字数 27,733 |  最終更新日 2021.1.25 |  登録日 2021.1.11