同期の小春が駆け落ちをした。 それから三年。 人が変わったように心を閉ざし、自暴自棄な生活を過ごしている彼女の元婚約者の新倉と、灯は成り行きで一夜を共にしてしまう。 一度の関係で終るつもりだったのに、なぜか新倉に「俺と結婚しないか」と提案される。 断れば、彼は自分を愛そうともしない相手と結婚してしまう──。 愛することも愛されることも、すっかり諦めてしまった新倉に心を痛めた灯は、彼の提案を受け入れた。 ──誰でもいいのなら、私にあなたを愛させて欲しい。 あなたが、また本気で誰かを愛せるようになる、その日まで。
文字数 29,079 |  最終更新日 2022.3.06 |  登録日 2022.1.30